AIデジマ研究所

散らかったサイトの診断:どこから手をつけるかを決める【まとめ】

2026-10-16 ・ 診断

引き継いだサイトを前にして、最初に悩むのは「どこから手をつけるか」です。目についた記事からリライトを始めると、あとで統合して消す記事を磨いていた、ということが起きます。順位の低い記事から磨いても、原因が構造側にあると数字は戻りません。

結論から書きます。診断は、収益源と計測の土台を先に固めてから、構造・記事・監査の順で見ます。作業する人が1人でも、AIに任せる形にすれば、全記事に同じ基準で診断が回ります。この記事は、散らかったサイトをAIで作り変えるマニュアルの Part 1「診断」の案内です。悩みに合わせて、どの記事を読めばいいかを並べました。


この診断で決まること

Part 1 の9本の記事を通すと、次が1枚ずつのファイルに揃います。

人がやるのは、判断の基準を決めることと、週1回のレビューだけです。日々の数え上げと判定はAIに任せます。


1. まず収益源を金額順に並べる

Search Console や GA4 を整える前に、収益源を1枚に金額順で並べます。並べると、一番大きい収益源が、一番計測されていない状態で見つかることがあります。自分のサイトで並べ直したとき、承認報酬の月平均は AdSense の約2倍でした。見ていた数字の3倍近い事業規模が、計測の外にありました。計測漏れが残ったまま次に進むと、小さい収益源を基準に記事の優先順位を決めることになります。

→ サイトで一番大きいのに計測されていないものを探す


2. 計測の土台を固める

GSC と GA4 のデータは、APIからAIが自分で取れる形にします。あわせて、取得が止まったときに自分で気づける仕組みを入れます。自分のサイトの運用で、認証ファイルを相対パスで参照していたために、GSC が5週間、GA4 が67日間、静かにデータが止まっていました。古いCSVを根拠に、AIが記事の優先順位を決め続けていました。

対策は3つです。認証ファイルは絶対パスの決まった場所に置く。取得スクリプトを launchd か cron で定期実行する。判定側に「CSVがN日より古ければ止まる」の鮮度チェックを入れる。

→ GSCとGA4のデータをAIに取らせる
→ 計測の土台を確かめる


3. 渡す数字の「集計単位」と「鮮度」をそろえる

数字がそろっても、同じ「クリック」が複数の意味で使われていると、AIは誤った差分で優先度を決めます。勤務先のレポートで、月末前に取ったデータで前月比を +94.7% と書いた月がありました。月末から5日経ってから取り直すと、正しい値は +35.4% でした。横ばいの指標が「爆伸び」に見え、AIがそこを優先の根拠にします。

「Google 検索クリック数(GSC)」「SEO 経由セッション数(GA4 Organic Search)」「ストア全体セッション数(全チャネル合計)」を書き分け、CSV のファイル名に取得日を入れ、月末から5日より前のファイルは前月比に使わない規則にします。

→ 数字の集計単位と鮮度を確かめてから判断する


4. サイトの堀と詰まりを出す

記事に手を入れる前に、サイトの資源を VRIO(価値・希少性・模倣困難性・組織)の4列で○×に落とします。V・R・Iがすべて○の資源が「堀」で、Oが×の資源が「詰まり」です。自分の2つのサイトに別々に VRIO をかけたとき、資源の名前は違うのに○×の入り方が同じ表になりました。堀はどちらも「自分にしか書けない一次の体験」で、詰まりはどちらも「資源を記事と収益に継続的に変換する仕組み」でした。資源を増やす前に、Oを直す順になります。

→ AIで自分のサイトのVRIO分析をして堀と詰まりを出す


5. 全記事を機械で健康診断する

数えられる問題だけを、AIに文章を書かせずに機械でチェックします。メタディスクリプションの長さ、SEOタイトルの重複、画像のalt、内部リンクの404、年号の更新漏れ、避けたい語句などです。判定は正規表現と文字数だけで済ませ、結果の要約だけをローカルの小さなモデル(Ollamaなど)に書かせます。クラウドの大きなモデルを呼ばなくても、判定の中身は変わりません。

内部リンクの404チェックでアーカイブURLを誤検知する落とし穴、年号チェックが作例を毎回拾い続ける問題、監査と健康診断を1本のファイルにまとめると共倒れする理由などは、公開済みの記事で具体まで書きました。

→ 全記事のSEO健康診断をAIで回す


6. 7項目の減点でリライト対象を決める

リライト対象を、順位やCTRの低い順に選ぶと、磨いても戻らない記事ばかりが上位に並びます。順位は結果で、原因ではありません。採点は、サイト設計・SEOタイトル・メタディスクリプション・AI検索向けの構造・技術的なSEO・内部リンク・読みやすさの7項目で、欠落ごとに減点します。合計点の大きい記事から直します。各項目に「毎日の自動処理で直せる」「週1回の判断が要る」の印を付けると、日々の作業と週次のレビューが分かれます。

→ 順位に依存しないサイト復活オーディット


7. 監査ツールの件数をタスクにしない

SEO監査ツールの警告は、件数の多い順にそのまま作業にすると、価値の無いページを直し続けて、重い1件を見逃します。勤務先のサイトで、最大の警告「メタディスクリプションが空」の中身を開くと、ほとんどが入力欄すら無いタグのアーカイブでした。一方、1件だけ出ていた「リンク切れ」の裏に、販売を終了した商品の構造化データが生きて検索結果に「在庫あり」と申告し続けていた、という状態がありました。

件数は「異常の量」で、「問題の重さ」ではありません。母集団の確認・中身を開く・重さで並べ替える、の3つを挟んでから作業の一覧にします。監査の網羅性は、母集団の列挙が完全であることが前提です。別の勤務先サイトの監査では、一覧APIがページングに対応しておらず「全部スキャンした」が全部ではなかった、ということも起きました。

→ 監査ツールの件数をそのままタスクにしない


8. 大規模・中規模・小規模のどの修正から始めるかを決める

ここまでの材料がそろうと、修正を3つに分けて順番を決められます。構造の問題(重複記事・孤立URL・パーマリンク衝突・テーマ移行の残骸)が大規模。カニバリや内部リンクの不足が中規模。1記事の中のタイトル・メタ・FAQ・alt が小規模です。大規模 → 中規模 → 小規模の順に進めます。小規模から始めると、構造を直すときに消える記事や統合される記事にまで手間をかけることになります。

→ サイトに必要なのは大規模・中規模・小規模どの修正か


悩み別の読む順


よくある質問

Q. 診断は毎回ぜんぶ通す必要がありますか?
A. 初回だけは全部を通します。2回目以降は、収益源の棚卸しは月1回、構造とカニバリのチェックは週1回、記事ごとの採点は毎日の自動処理の中、という頻度で足ります。鮮度チェックが止まったら、判定も止める作りにしておきます。

Q. AIの文章生成はどこで使いますか?
A. 診断の判定はほぼ機械で済みます。AIの文章生成は、健康診断の結果の要約(ローカルの小さなモデル)と、週1回の深いリライトの判断(クラウドの大きなモデル)に限定します。判定を機械で済ませておくと、要約を書くAIが結果を変えてしまう余地がありません。

Q. ツールや設定は何から用意しますか?
A. Google Cloud Console の OAuth クライアント認証情報(デスクトップアプリ)、WordPress の REST API、ローカルで動くAIのランタイム(Ollama など)です。認証ファイルは絶対パスで参照できる共有の場所に置き、サイトごとに複製しません。


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